
麹菌とは何ですか? 凄い麹菌の実力について
そもそも麹(こうじ)とは何でしょうか?
米、麦、大豆などの穀物(デンプン質)に麹菌を繁殖させたもの
を言います。
学名を「アスペルギルス・オリゼ」とされていて、
日本で使われている麹菌の90%以上がこの「アスペルギルス・オリゼ」に分類されています。
日本の伝統食品である、日本酒、味噌、醤油、みりん、甘酒、漬物、お酢などの造りの主役です。
麹なしで、和食は成り立ちません。
麹(こうじ)は、コウジカビを繁殖させたものです。
麹菌は正しくは「日本麹かび」と呼ばれ、日本独特の「カビ」です。
麹菌は日本の国菌
因みに麹菌は日本の『国菌』と言われてます
パンなど食べ物に青や黒のカビが生えることがありますよね!
あれと同じなんです
ただその種類が違うだけです。
実は、カビの中にも人にとって有益な物(良い奴)と有害な物(悪い奴)がいるので、その有益なカビの中に麹菌がいて、そいつを使ったのが“麹”というわけです。
発酵→人に有益な微生物の作用
腐敗→人に有害な微生物の作用
納豆を発酵と呼び、パンがカビることを腐敗という感じです。
つまり麹は発酵食品といえます。
次に麹菌の歴史について考えてみます。
麹の始まりは
紀元前700年ごろの中国、周王朝の古文書「周礼(しゅうらい)」に「醤(ひしお)」についての記述があったと伝わっています。
醤はその名の通り醤油の原型とされていて、この時期から「発酵」の概念が生まれていたと言われています。
奈良時代には麹が使われていた
日本で初めて麹が使われた時期には諸説ありますが、
文献に出てきたのは奈良時代(713年)に編集された「播磨国風土記」となっています。
この「播磨国風土記」には麹を用いた酒造りに関する記述が読み取れます。
お供え物の米などに生えた麹菌を偶然誰かが食べたことが、酒造りのきっかけになったという説もあります。
次に麹菌の種類についてです。
麹菌の種類
大きく分けて次の三種類があります。
①白麹菌
発酵クエン酸を作るので酸性に強い酵素を持っています。
黒麹菌の突然変異株とされてます。黒麹菌と一緒で、色だけ白いと思って下さい。
黒麹菌は胞子が飛ぶと服などが黒くなるので、現場向きと言われています。
②黒麹菌
その名の通り、黒いです。何故かというと、分生子と呼ばれる胞子(子孫を残す“種”、哺乳類でいう卵)が黒い為です。黄麹菌と比べるとデンプンの分解力は弱いんですが、タンパク質の分解力が強く、クエン酸を沢山つくるので食べると酸っぱいです。
③黄麹菌
できた麹が黄色?(胞子は緑っぽい)所から名付けられました。
デンプンの分解力が強い。清酒・味噌・醤油など、日本の発酵食品には欠かせない存在です。
麹菌の機能
麹菌は、お米や麦や大豆など、日本の田畑で育つ穀物にくっついて発酵します。
学名にあるOryzae(オリゼ)とは「稲」のこと。もともと稲のなかに住んでいるカビなので、日本の風土にバッチリなのですね。
オリザロースとか馴染みありますね。
麹菌は発酵によって食物の旨味と甘みを増す機能があります。
麹菌が持っている2つの酵素が、和食のベースとなる、旨くて甘い独特の味(←お味噌汁や肉じゃがをイメージしてください)を作り出します。
旨味を作るのは、たんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素。甘味を作るのは、デンプン質を分解するアミラーゼという酵素。
これにより、お酒、味噌、醤油などの発酵食品は旨味が強いのです。
楽しい動画で確認しましょう。
なぜ体に良いのか