
医療費の増加について このままで良いのか?
2016年度(平成28年度)で国民医療費は42.2兆円となっており、国や国民の財政の大きな問題となっています。
急速な高齢化により自然増が大きな要因と見られていますが、増加する医療費がこのままで良いのか? また対策はないのか等、私達の将来の年金や、介護に直接影響してきますので無関心ではいられません。
まずは医療費の現状から見てゆきましょう。
医療費の現状はどうなっているのか?
(※図表は健保組合連合会 「2025年度に向けた国民医療費等の推計」2017年9月より引用)
2015年度の42.3兆円から2025年には57.8兆円に10年間で約4割の増加となっています。
特に後期高齢者医療は1.7倍になっており、全体に占める構成比率も44%となっています。
これは国家財政の話ですが、個人の家計に置き換えると大変な問題です。
収入が増えなければ、一つの費目がこれほど増加すると他の支出費目を削減しなければならず
それは破産=生活が成り立たない事を意味するからです。
収入の内訳は?
それでは次に収入の内訳を見てゆきましょう。
利用者負担額は殆ど増加しない(高齢者の反対が根強いので)
のに対して保険料負担と公費負担の増加は著しい事がわかります。
保険料負担は、企業と現役世代に重くのしかかってきますし、公費負担もやがて
将来の年金額の減少や消費税増加などの形でツケが回ってきます。
消費増税で間に合うのか
2019年10月から予定通り消費税が2%アップする事が決定しました。
2%の消費税率引き上げで見込まれる税収増は約5兆6000億円。
当初計画では4兆円強を赤字国債の発行抑制に充て、残りを高齢者支援を中心とする社会保障の充実に使う予定だった。
しかし、税率を5%から8%に引き上げた14年度は実質GDP(国内総生産)成長率がマイナスに転落したために、17年末に首相は子育て世帯の負担軽減のため、増収分の1兆7000億円を保育士の増員や幼児・高等教育の無償化などに新たに振り向ける方針を決定しています。
社会保障費へ振り向けられるのはわずか、1.1兆円。
全然足りません。焼け石に水とはこのことです。
このまま増税は繰り返されるのでしょうか?
医療費の中身を見てみる
ところで、先程2025年予想の後期高齢者の医療費に占める割合は44%といいましたが、
一人あたりで見るとその格差はもっと拡大します。
なんと後期高齢者の医療費は現役世代の64歳以下の5.3倍にも上っています!
つまり医療費の問題は後期高齢者問題とも言えるのです。
医療費の増加を食い止める提言
①無駄な医療特に無駄な薬の処方を止める
75歳以上になると薬の効果が落ち、かえって副作用のほうが問題となります。
多くの後期高齢者が通院し、6-7種類の薬を飲んでいます。
これには無駄があると思います。
薬を要求する患者側にも問題があると思いますが、黙っていると処方は止まりません。
むやみに薬を要求するのではなく、
よく医師と話し合い必要なものに限るべきです。
②健康的な生活習慣を作る
後期高齢者ともなると体の筋肉量が落ちます。そこに運動不足が重なるとさらなる筋肉量の
減少を起こします。
そうすると代謝量が落ち、免疫力も低下して病気になりやすくなります。
軽い運動をして、筋肉量ん低下を防ぎましょう。
③医療費の費目の大胆な改正
現在の保険点数制度では、検査、商法に重点が置かれています。
従って検査つけ、薬漬けが問題になります。
がん医療等においても必要な医療について医師と話し合い最適なものを選ぶべきです。
④食事の改善
後期高齢者になると食事の量は減らして、内臓に負担をかけずその質を充実しないといけません。
しかし、医療費負担の為に食事の質が後回しになりがちです。
これでは本末転倒。
薬で健康を得ることはできません。
医療相談で栄養士さんのアドバイスを得ることができます。
毎日の献立を見直しサプリなども取り入れてゆきましょう。